【キャンプイン】 **(海スポ盗聴録)** 「何か悩み事か?」 「いえ…その…」 「俺に言えない悩みか?」 「ち…違います! けしてそんなんじゃありません!!」 「なら、相談のってやるから、話してみろ。」 「…… 相談と言いますか… スモーカーさんも、お年頃だと思うんですけど… その……… 最近、お腹の溝が浅くなってきてます!!」 「そ…そうか?(゜Д゜;)」 「なってますよ! 以前は、座ってもベルトに脂肪が、被るなんて事なかったんですよ!!」 「幸せ太りだな。」 「何言ってるんですか。 明らかにめ…メタボリック予備軍に入りかけてます。」 「性欲と食欲は、正比例するからな。」 「そんなの正比例させないで下さい!」 「おまえが最近、前線に俺を出させないのもあるかもな。」 「大将が、最前線に撃って出るなんてウチぐらいですよ。」 「切り込み隊長のおまえの背中を守れる奴が、居ないんだから当然だろ。」 「私のせいって、言いたいんですか…」 「いやいや 全部とは言わんが、海賊の2,3隻は、俺だけで十分落とせるし、 週3のところを週5にすれば、この脂肪層もたちどころに消…」 「責任転嫁してるじゃないですか!!」 「無しでも良いから、せめて毎晩俺の部屋で寝てくれよ。」 「スモーカーさんの“今夜は無し”程、あてにならないものは無いじゃないですか!!」 「うっ…!! おまえの髪の匂いや、温もりを楽しんでると…」 「判りました。 腹筋の溝が復活するまで、スモーカーさんの部屋で寝ません!!」 何日かたってからの出来事 「スモーカーさーん、DVD見せてもらってもいいですか?」 「ああ、構わないが?」 スモーカーの部屋にDVDを抱えてやってきたたしぎ。 個室をもらっているたしぎだが、尉官になったからといって流石に部屋でDVDを見る事ができるようにはしていなかった。 「何か面白いものなのか?」 いそいそと準備をしているたしぎにスモーカーが話しかけると 「今、陸上勤務の子の間で流行っているんです。それで送ってもらったんです。まあ、ダイエットプログラムみたいなものなんですけど…」 「ふーん…」 たしぎが持ってきたDVDのケースを見てみるとやたらと体格のいい男が映っている。そしてDVDの再生が始まりスモーカーの前でたしぎが音楽とその男の掛声に合わせて踊り始める。しばらく黙ってみていたスモーカーだったが、楽しそうなたしぎの様子がどうにも面白くない。 「たしぎ、それどの位かかるんだ?」 「1時間って所です」 「お前にダイエットなんて必要ないだろう。俺好みのボディに育て維持しているじゃないか」 「ダイエットだけじゃなくて、引き締めて筋力アップも目的です」 「それも必要ないだろう。普段から長刀振り回している女なんだから」 「……スモーカーさん、先にシャワーでも浴びて来てください」 暗に「邪魔しないで」とたしぎに言われたようで、更に面白くないスモーカー。 「用事を片付けてくる」スモーカーはそう言い残して部屋を後にした。 『お?スモーカー、こんな時間に珍しいな。さてはお嬢ちゃんとまた喧嘩でもしたのか?』 「俺とたしぎは喧嘩ばかりしている訳じゃねぇ。そんな事よりも九十九、お前に聞きたい事がある」 『お前が?珍しいな』 「今、陸の連中の間で流行っている変なDVDがあるだろう?」 『変なDVD?陸での流行りのDVDなんぞ腐るほどあるぞ。裏ものか?』 「んなものじゃねェ。何とかキャンプとかいう奴だ」 『キャンプもの?そりゃマニアックだな…そんなものあったかな…』 「違う!裏から離れろ。ダイエットプログラムとかいうのだ!」 『ああ、ビートキャンプだな。女性の間で人気だ』 「あれの女版はないのか?」 『?確か…あるにはあるぞ……ハハァン、お嬢ちゃんがそれに夢中でお前追い出されたってわけだ。それでそのDVDに嫉妬しているってわけだな。』 「…あるんだな」 『そんな物よりお前がやってやればいいじゃないか。お嬢ちゃんの事だ、その方がきっと喜ぶぞ』 「んな事出来るか#」 九十九の言葉に憤慨して電伝虫を切ったスモーカーだったが、部屋に戻ると一汗かいた後シャワーを浴びたのかさっぱりした顔のたしぎがいた。 スモーカーの顔を見るなり、先ほどとは打って変り愛想よく「まだ、シャワー浴びて無かったんですか?」と言いながらチュとスモーカーに軽くキスをする。 「終わったのか?」 「はい」 「面白かったか?」 「?ええ」 「それならばいいんだが…」 まだ、スモーカーの方がスッキリしない顔だったが次のたしぎの言葉にスモーカーは機嫌を直してしまうのだった。 「でも、スモーカーさんが居なくて寂しかったです。一緒にやれればもっと楽しいのに」 その後正式に訓練プログラムに組み入れられたかどうかは定かではないが、白猟隊の上半身の露出度が最近上がっているという報告はあるようだ。 後日談 「あんまり効果ないみたい…」 たしぎがスモーカーの腹の溝を指で確かめるように辿り、その後自分の腹部を確かめるように撫でて溜息をつく。 スモーカーは最近たしぎがDVDを見ながら運動している横で、自分もウェイトトレーニングに励んでいる。そんな事あるかと思い、彼女の手を引きよせもう一度確かめさせようと腹筋の部分にその手を導く。 「あ スモーカーさんじゃなくて私です」 スモーカーが彼女の薄い腹を手で辿るといつもの柔らかな肌と腹部である。「腹筋…出てこないんですよ…こんなに頑張っているのに…」たしぎはシュンとしながら、腹部の撫でる範囲を次第に広げていく大きな手を捕まえる。 「体重も減らない。サイズも変わらないんです。他の皆さんは目に見えて変化しているのに…」 確かにたしぎは頑張っている。朝は海兵達の前に立ちインストラクターのように掛声をかけながら一緒にエクササイズ。夜はスモーカーのトレーニングの横で自分もエクササイズ。少なくとも2セットは一日やってはいる。 「私には効果ないのかな…」 「そうでもないだろう。体力は確実についたと思うぞ。現に今こうやって話していられるようになっているじゃねェか。以前のお前は終わり即落ちるだったからな」 「…そんな効果あったって」 腕枕していた手でたしぎの頭を抱き寄せるスモーカー。他にも成果が出ている部分があるのだが。 「なあ、今日良かったか?」 彼女の耳元でそっと聞いてみる。途端にスモーカーの顔を見上げてたしぎは赤くなりながら睨みつけプイと背中を向けてしまう。 「そんな事、女性に聞かないで下さい。セクハラです」 「いや、お前が効果が無いというからな」 「い、一体それとどういう関係があると言うんですか!」 やはり本人は気付いていなかったのか。 最近、持久力がついてきた事はもちろんだが夜の生活においてはそれだけでは無かった。下半身の筋力がついてきた為なのか、中の締め付けがきつくそしてリズミカルになっている。そして、スモーカーの要求に答えるかのように艶めかしく動く腰つき。 スモーカーにとっては彼女のエクササイズの嬉しい効果だった。 背中を向けてしまったたしぎの腰を抱きよせその腹部を撫で、もう片方の腕は柔らかな膨らみに回す。彼女のうなじに顔を埋めるようにその肌に口づける。 「なあ、体力もついてきた事だしもう一回どうだ?」 「もう無理です!」 たしぎは腰に押しつけられた昂りに体を固くするが、結局はすぐに吐息を乱される事になるのだった。 おわり |
時事ネタ 今はやりの例の何とかキャンプに上記のような効果があるかどうかは知りません。 口実とも言うらしいです… 2007.10.22 |